◆諸鈍シバヤとは

諸鈍シバヤは, 加計呂麻島の東南端, 瀬戸内町諸鈍に古くから伝えられている民俗芸能で,国指定重要無形民族文化財となっています。

この芸能をなぜ「シバヤ」と呼ぶようになったかについて, 2つの説があります。一つは, 「芝居」がなまって, 「シバヤ」になったというもので, 他の一説は, 柴(葉付きの枝や小木)で周囲を囲い, これを楽屋にしていたので, 芝居がシバヤになったとの説です。しかし, どれが正しいかははっきりしていません。

シバヤの由来は, 約800年の昔, 壇ノ浦の戦いに敗れ, 源氏の追っ手を逃れてきた, 平資盛一行がこの諸鈍に居城を構え, 地元の人たちを招じ入れて酒宴を催し芸を披露するなどして交流を深めたのが始まりとされています。

奄美は本土と沖縄との中間に位置し, 中でも諸鈍湾は古来, 南北海上交通の中継地としての要所でした。その昔, 南の琉球文化, 北からの大和文化がこの地に伝播し, 渾然一体となって定着し, 諸鈍シバヤとして花開いたのではないかといわれています。

諸鈍小中学校では, 故郷に伝わる大切な伝統芸能を守り伝えようと, シバヤ保存会の方々に教えを受け, 子どもたちが継承活動を行っています。
毎年, 旧暦の9月9日, 瀬戸内町諸鈍集落にある「大屯神社」で上演されるのが, 現在の姿です。踊り手は地元に住む男性で, 女性役も男性が女装して演じます。

また, すべての演者が「カビディラ」と呼ばれる「紙の面」をつけて踊ります。服装は, 頭に陣笠用の手製の紙笠をかぶり, 下は白ももひき, 上は絹の吹き流しの上衣を身につけています

◆上演される演目の紹介

gakuya
1ガクヤ入り
当日の出演者一同が列をなし, 着物はちまき姿で, 「ホーエラエー,ヨイヤサノサー」のかけ声も勇ましく三味線, 太鼓, ホラ貝,鐘などの鳴り物入りで楽屋に繰り込みます。


 

sanbato

2サンバト
紋付き, 山高帽の翁と鳴子持ちの二人で演じます。先翁はシバヤの前口上を披露します。


 

kukuwa

3ククワ節
源平一の谷の戦いに敗れ, 敗走する平家の一族が, 須磨の海辺に 葬られた平家の若武者「平敦盛」の討死を嘆き悲しみ衣装の袖をしぼります。この踊りで, シバヤと平家との関わり合いが固く信じられています。


 

kinko

4キンコウ節
徒然草の著者「吉田兼好」を歌っ たものといわれています。


 

sinjyou

5シンジョウ節
この踊りは種子島から奄美, 沖縄まで広く残されての説がありますが, その歌詞からは, その意味は不明です。


 

sukuten

6スクテングワ
この踊りは, 中国で宋が天下を平定して政権を掌握したとき, その祝いの席で披露された踊りだと伝えられています。諸鈍シバヤの中でも,最も華やかな踊りの一つです。


 

kama

7カマオドリ
今年の豊作に感謝し, 来る年の万作を祈願し, 数人が両手に木製の鎌を持って踊り場いっぱい自由自在に躍りまくる大変爽快な踊 りです。


 

dat

8ダットドン
昔一人の座頭が, 自分の持つ, 名のある琵琶が何者かにすり替えられているのに気付きこれを探し求めて歩く途中, 川向かいからよく似た琵琶の音がするので,この音を頼りに川を渡ろうとする仕草などをします。


 

sisi

9シシキリ
一人の美女が春に浮かれ野原で無心に踊っていると, 突如躍り出た猪(獅子)に襲われてしまうかと思われたとき, たまたま通 りがかった狩人が美女を助け, 猪と格闘の末, これをしとめるという寸劇です。


 

tamatiyu

10 タマティユ
中国から伝わったとされる人形劇です。歌, 舞, 遊芸にひたり,家事を省みず親不孝を重ねたため, 天罰としてか, たちまちのうちにどこからともなく大蛇が現れ, これをかみ食らう真似をする踊りです。


 

takaki

11 タカキ山
諸鈍シバヤの最後を飾る踊りです。大太鼓を胸にかかえた踊り手 一人, 鐘を持った者一人, 腰に花を飾った者, 素手の踊り手2,3人によって, 最後にふさわしく踊り場いっぱいに踊り回ります。